そろそろ、桜の季節。桜といえば...やはり吉野でしょう。 というわけで訪れた吉野山。さすが、ベストシーズン。1月から宿泊予約の電話をかけたものの、吉野界隈の宿は、軒並み満室。「4月..」と言った瞬間、「あーー、無理無理。ガチャンッッ。」ってまー、 こんな始末でした。仕方なく、だいぶ離れてしまったけれど、五條から向かうことになりました。 過密スケジュールで、吉野滞在は午前のみ...ということで、バスで上千本まで行き、下っていくことにしました。櫻本坊から吉水神社を歩いていくと、なんと蔵王堂と桜の見事な景色。東京タワーは、上るよりも外から眺めた方が美しいのと同じ。外側からの素晴らしい光景がわたしの目の前に広がりました。 春です。心が躍ります。 古来より桜の名所と知られる「吉野」の桜は、シロヤマザクラ。この種を中心に、約200種3万本の桜が密集しています。わたしたちが良く知るソメイヨシノとはまた異なった種類。ですが、わたしには違いが良く分からず...。ちょっと紅が濃いのかな?とにかく、、美しいです。 尾根から尾根へ続き、谷から谷へ、埋め尽くすサクラはもちろんのこと、一本、一枝、一房、一枚の花弁に至るまで、なんとも美しい。 あの蔵王堂には、真っ青な蔵王権現さまが3対もいらっしゃって、その迫力たるや凄まじい...。との評判を聞いて、訪れた吉野山。あのお堂のなかに、いらっしゃるかと思うと、お堂から雄叫びが聞こえてきそうなかんじがしてきます。 足早にお堂を目指して歩いていくと、着きました。 ...
わたしは、奈良を散歩するのが好きです。東大寺や春日大社、ならまちなどの中心地は観光客で賑わっているのだけど、すこし道を外してみると、地元の人たちが暮らす日常の風景があって、そのなかにポコーンと国宝の仏像や伽藍を誇るお寺がある。仏像マニアにとっては、超ド級の観光スポットだらけなのに、あんまり人がいなくて、ゆっくり時間が流れている。自分の好きなペースで、大好きな仏像を独り占めできる…。このうえない贅沢ができるのが「奈良」なのです。 まさにこの表現にふさわしいと言えるのが、新薬師寺。 ならまちを少し奥へ入ると、高畑といわれる街があります。志賀直哉が晩年を過ごしたというこの地に佇む、わりと小さなお寺。 出典:http://ameblo.jp/rallygrass/entry-10259429524.html ここには、仏像好きが唸る「十二神将」と目を見開いた木像の「薬師如来」が安置されています。カヤの一木造りの薬師如来さまは、平安時代初期の如来像らしく、ふっくらした肉付きのよいお顔とどっしりとした体格です。東大寺の盧遮那仏、飛鳥寺の釈迦如来、薬師寺の三尊像に代表されるように、漆黒の乾漆像が印象的な奈良の仏像たち。でも、ここの薬師如来さまは、やわらかな印象を与える木目が美しい木像です。伏し目がちな如来像が多いなかで、ここまでぱっちり目を開いているのは珍しいのではないでしょうか?唇に紅い色が残っていて、血色がよいところからも、とっても明るくって元気そうな印象を受けます。 出典:http://ameblo.jp/rallygrass/entry-10259429524.html そして、わたしが今回もっともお会いしたかったのが、薬師如来さまを囲む十二神将の皆さま。特にここの十二神将は、力強く写実的で表情も豊かです。日本最古の十二神将とされているにもかかわらず、所々に残る彩色。当時は、青、赤、黄、紫などの極彩色で豪華絢爛に造られたことがうかがえます。いつも十二神将を鑑賞するときは、まず自分の干支である亥の守り神「宮毘羅大将」を探します。だいたいヘルメットをかぶっているのですが、このヘルメットがあまり好きじゃないので、いつも若干がっかり。でも、自分の干支で親近感が湧くので、他の神将さまより、ちょっと長めに手を合わせたりします。 出典:http://blogs.yahoo.co.jp/hrfcd524/61970223.html 新薬師寺的推しメンは、戌の守り神「伐折羅大将」。たしかに忿怒の表情と逆立つ髪が一番力強く、薬師如来さまのすぐ左側で、すぐにも刀を抜きそうな雰囲気です。 じっくり12体の神将さまをながめて、ながめて...、わたしの推しメン決定!午の守り神「珊底羅大将」。クールな青いお顔でグッと下を睨む表情は、このなかの十二神将のなかでも特にイケメン。 最近の仏像女子ブームのど真ん中なヒトみたいで、ちょっとイヤだけど、やっぱりイケメンに夢中になるのは、女の性でしょうか…。 出典:http://butszo.jp/2013/12/1617/ こんなにたくさんの国宝仏に囲まれるのに、お客様は3組ほどでしょうか…。ランニングがてら寄ったであろうご夫婦、旅行中にご家族、想い想いの時間を過ごしています。きっと、これが「奈良の国宝仏像展」とかで、トーハク(東京国立博物館)に来ようものなら、きっと人がいっぱいで満足に鑑賞できないし、魂を抜かれた仏さまは、もはや彫刻作品でしかなくなってしまう。 博物館ならではの展示の仕方や、わざわざ遠くまで足を運ばなくても、各地の仏像が結集してくれるありがたみはあるけれど、やはり仏さまは居られるべき場所に居て、わたしたちがその地へ足を運ぶことに意味があるような気がいたします。 ...
現在、奈良駅周辺において、最大の面積を誇り、いつも観光客が絶えない東大寺。 東大寺の観光スポットといえば、やはり廬舎那仏。しかし、仏像マニアとしては、何回言っても、何時間居ても飽きない仏像の宝庫。にもかかわらず、南大門から大仏殿までの鹿せんべいロード以外が、案外空いています。 今回は「お水取り(修二会)」で有名な二月堂にクローズアップしてみようと思います。 「お水取り」とは、東大寺二月堂の修二会のことで、二月堂の本尊十一面観音に、練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる精進潔斎した行者がみずからの過去の罪障を懺悔し、その功徳により「興隆仏法(こうりゅうぶっぽう)、天下泰安(てんかたいあん)、万民豊楽(ばんみんほうらく)、五穀豊穣(ごこくほうじょう)などを祈る法要行事のことを言います。 この修二会は、天平勝宝4年(752年)に、実忠和尚(じっちゅうか ...