禅林寺 永観堂。

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京都の紅葉の名所と言えば、間違いなく「禅林寺永観堂」は、外せません。あまりにも、メジャー級なので、時間帯を十分考慮しなければなりません。わたし自身、平日5日出勤の東京在住サラリーマンなので、祝日を含む、土日だけが京都来訪のチャンス。毎度、スケジュール調整は、念入りに考えます。

誰もが知っている、超人気エリアは、朝一か、夜間拝観の最初を狙っています。開場までの時間は並ぶことにはなりますが、お寺特有の凛とした空気感がまだ残っているのです。整然とした、本来の空気を感じることが、わたしの京都の醍醐味であります。


たしか、17時頃に着いたような気がします。まだ陽もあがっています。このくらいの時間帯になってくると、だんだんと肌寒さを感じます。


随分、陽も堕ちて、ライトアップが始まりました。夜間拝観は、17時30分から20時30分です。ライトアップされた紅葉はまた、昼間とは異なる表情で、潤った艶感が人々の心をグッとわしづかみます。


永観堂は、仁寿3年(853年)、平安時代に真紹僧都によって、創建されました。天皇家や貴族が栄華を誇る時代背景のなかで、幾多の文化人達に、「モミジの永観堂」として、千百有余年という深い歴史をもった古刹です。真言宗の僧侶であった真紹僧都は、真言密教の道場として始まりました。

「仏法は人によって生かされる、従って、我が建てる寺は、人々の鏡となり、薬となる人づくりの修練道場であらしめたい」







境内の紅葉第1ポイントが、鶴寿台のもみじ。



山から永観堂を臨む多宝塔を見上げると、境内には、真っ赤な紅葉が燃えさかっていました。1000年以上、自然とヒトの力が融合して、この景色が護られてきたのかと、より力強さを感じます。





平安を感じる、雅楽の演奏も重なって、五感で感じる、秋の京都。この雰囲気は、やはり京都でしか味わえません。





忘れてはいけないのが、永観堂といえば、見返り阿弥陀如来像。
秋の夜間拝観でも、拝観することができます。木像の阿弥陀如来立像は、平安初期〜鎌倉時代につくられたと言われています。

なぜ、90度振り返ったお姿で、つくられたのか?
非常に珍しいお姿の阿弥陀如来さまです。永観堂のホームページを見ると、こんな解釈がされていました。

 ・自分よりおくれる者たちを待つ姿勢。
 ・自分自身の位置をかえりみる姿勢。
 ・愛や情けをかける姿勢。
 ・思いやり深く周囲をみつめる姿勢。
 ・衆生とともに正しく前へ進むためのリーダーの把握のふりむき。

真正面からおびただしい人々の心を濃く受けとめても、なお正面にまわれない人びとのことを案じて、横をみかえらずにはいられない阿弥陀仏のみ心。
(出典:http://www.eikando.or.jp/mikaeriamida.html

なんとも、慈悲深い阿弥陀如来様です…。





放生池を囲むもみじ。とにかく、境内すべての木々のほとんどがもみじと言えるほど…。日頃、こんなにも季節を感じることがあるでしょうか?本当に素晴らしく、圧巻に紅葉です。京都の紅葉、ここ1カ所で十分です。





日本人として生まれたこと、そして自由に京都に訪れる機会があること、そして、先人たちが築いてきたこの街に、ほんとうに感謝の気持ちが溢れます。弁天さまを拝む人々の姿をみて、我がふり直す…。心のお腹がいーーっぱいになった永観堂の紅葉でした。

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