神護寺。

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京都で一番はやく紅葉が愉しめると言われているのが、高雄。
京都駅からJRバスで50分。静かな山々に囲まれた、日本有数の紅葉の名所です。「高雄」のバス停を降りて、神護寺までの参道を歩くと、既に紅葉の美しさと空気の清らかさに、心が打たれます。


川のせせらぎが心地よい山里に、真っ赤に色づくもみじ。ちょうど、明け方に降った雨のおかげで、葉の色がくっきり鮮やかに発色しています。朝露が、高雄の紅葉の美しさをより一層惹きたてます。


清滝川沿いに建つ、高雄の寺院たち。まず、最初に向かうのは「神護寺」です。清滝川から観る紅葉は、わたしの地元の風景とよく似ていて、はじめて来たのに、どこか懐かしい雰囲気です。

観光地である地元では、昔こんなキャッチコピーがありました。

「さがみの小京都」

んーーー、あながち間違いではなかったなー。そんな個人的な感傷に浸りつつ…。





さまざまな角度から紅葉を愉しみました。さらに、神護寺の参道を進んでいくと…

「うそーーー、マジで」

本音がポロッと。



ふぅーふーー言いながら、石段を登ってきましたが、更なる難関…。遠く先に山門は見えるものの、果てしなく続く参道。しかも一段も幅が大きく、なかなか自分の歩幅と階段の段が合わないのが、これまたキツい…。いやいや、文句を言わずに進もう。



神護寺の山門が見えてきました。ちょうど、左右のもみじが美しく、赤黄緑の色とりどりの門前に心が躍ります。





平安京造営の最高責任者であった和気清麻呂が、都の北西に位置し、古くから紅葉の名所と知られるこの地に、高雄山寺を創建したのがはじまりです。和気清麻呂といえば、宇佐八幡神託事件で、皇位をわがものにしようと企てた僧侶・道鏡を見破り、皇統の断絶という日本最大の危機を救った人物(産經新聞)として、知られています。 

また比叡山の伝教大師・最澄や弘法大師・空海もここに入山し、平安仏教の中心的な役割を果たしています。弘法大師は帰朝後、14年間住持されたと言われています。


天長元年(824年)に高雄山寺と、河内に建てられた神護寺を合わせて、現在の「神護寺」と改められました。平安時代には、2度の災害で、堂塔のほとんどを焼失して、一時は荒廃しましたが、後白河法皇の勅許や源頼朝の援助で、復興しました。

そのためか、神護寺の寺宝のなかには、誰もが知る「頼朝肖像画」が安置されています。


(絹本着色伝源頼朝像神護寺蔵)出典:wikipedia)

通常は模写が展示されていますが、毎年5月1日〜5日までの期間限定で、国宝の肖像画が一般公開されます。その他にも、平の将門の乱を鎮圧したとされる「平重盛」像やご本尊の「釈迦如来像」など多くの国宝が公開されます。 


さて、境内を散策してみると、「かわらけ投げ」というものがあるらしいので、地蔵院の方へ行ってみることに…。


こちらのもみじは、まさに今が見頃。もみじが、これから来る厳しい冬に向けて、最後の大輪を咲かせる花のようです。まるで、秋のサクラ。


さて、いよいよ「かわらけ投げ」
綿雲渓に向けて、ちいさなかわらを投げると、「厄除」になると言います。


ここに投げ込みます。
高雄の名勝「錦雲渓」。すばらしい渓谷美。まだまだ、これから紅葉が愉しめそうです。


投瓦に失敗すると、すぐ前の草むらにポトッと落ちてしまうので…、野球のボールのように投げるのではなく、フリスビーの横投げをすると、より遠くまで飛ばすことができました。



ちなみに「かわらけ」は、2枚で100円。


和気清麻呂の霊廟。こちらも、真っ赤なもみじに囲まれています。



まさに、もみじ狩りには、最高の「神護寺」。美しい風景と空気が、日頃の疲れをすーーっと癒してくれます。

【神護寺】

□ 拝観時間
 9:00~16:00 年中無休

□ 拝観料金
 大人 600円 団体割引(30名以上)500円 障害者 300円

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