東京23区内の天然山で一番標高が高いと言われる愛宕山。
標高26mという小さな山の頂に佇むのは、「愛宕神社」。
たった26mなので、さっくりとのぼれちゃうこの愛宕山は、江戸時代の桜の名所。
現在の愛宕グリーンヒルズの桜も、永い年月をかけて、そこに根づいてきた大木がいくつもあるはずです。



さて、この愛宕神社。
創建が江戸時代。徳川家康の命で、“防火”の神様を祀られたのがはじまりです。
今も防火をはじめとした火に関すること、印刷・コンピュータ関係、縁結びや商売繁盛でのご利益があると言われています。


さて、区内で一番高い山と言えど、ここは東京都心部。特に高層ビルが立ち並ぶ、この港区エリア。オフィスエリアでもあるので、愛宕神社の周りの景観は「THE ビジネス」。すぐお隣にも、大きな高層タワービル。でも、その下には、小さな日本庭園。きっと周辺で働くビジネスマンの憩いの場となっていることでしょう。
今は葉が落ちてしまっているこの木々は、桜でしょうか?春になると、とってもキレイなんだろうなー。


こ、、この景色!
うーーーん。いかにも東京っぽい。これが、東京寺社仏閣さんぽの醍醐味です。
行ったことないけど、イメージ的に、ニューヨークのビル群×セントラルパークみたいな。


こんな風に鯉の餌付けもできます。
やっぱり古都の京都・奈良とは雰囲気が違って、どこか江戸っぽい。
鯉とか金魚って、江戸なかんじがしませんか?


昔、流行った「人面魚」って錦鯉だった気がするので、どうも金色の鯉をみると、人面魚チェックをする癖がついています。



本殿もわりと小ぶりで、ちょっと散歩に立ち寄るには、ちょうどいいです。
昼から六本木で、友達と待ち合わせをしているときに、ちょっと早起きしてお参りしながら、六本木まで歩いたら気持ちがよさそうです。
歩いた分だけ、ランチの美味しさも増す!?


無数の守護神、狐。なんだか、ちょっと怖い…。



 

ぽかぽかした、春のひだまり。やっぱり、気持ちよくって、白猫ちゃんもウトウト。
こっち向いてほしいのに、まったく向いてくれないところ。ちょっと寂しいけど、そんな自由気ままさが、私の性格に合っていて、「やっぱり猫がすき!」。

さて、帰ろう・・・。
実は、わたくし、この愛宕神社に裏から入ってしまい、危うく一番有名な名所を外すところでした。
東京名跡としても名高い「出世の階段」。


さて、「出世の石段」。どんなところかというと…。



ひ、、ひえーーーー!!
26mの山を一気に駆け上がる階段、とっても急勾配。


真下から見上げると、こんな感じです。。驚

ここは、愛宕神社の男坂と呼ばれるところです。なぜ、この男坂が「出世の石段」と呼ばれるようになったのか…。

それには、こんなお話が…。>>>愛宕神社の「出世の石段」のいわれ。

な、な、なんと、この階段を、“馬”で一気に駆け上がったヒトがいるらしい…。
人の勇気というよりも、馬の勇気にあっぱれ!よく登ったなーーー。お馬さん。

これを機に、全国に名を轟かせた「へいくろうさん」。わずか1日で全国レベル。
うーーん。出世のエピソードとしては、軽いかんじがするんだよなーーー、、なんて。笑

こんなエピソードも含めて、外国人観光客にも喜ばれそうな、東京の名所でした。












奈良に興味を持つまで、まったく知らなかった関東人のわたし。
伊勢から、京都から、大阪から奈良入りするときに、意外とお世話になる「大和西大寺」。駅の名前になるくらいだから、よほど有名なお寺なんだろう?くらいに思っていたのですが、意外と歴史の深いお寺で、意外とお世話になることとなった「西大寺」。

奈良と言えば...で御馴染みの「東大寺」に対して、「西大寺」。
奈良時代に鎮護国家と平和祈願のために建てられた真言律宗のお寺で、南都七大寺のひとつでもあります。南都7大寺とは、奈良時代に平城京とその周辺に朝廷の保護を受けて建てられたお寺で、興福寺、東大寺、西大寺、元興寺、大安寺、薬師寺、法隆寺のことを言います。奈良を代表する寺院ですね。

奈良時代を代表する官寺。官寺は、当時の国家と密接しているので、日本史好きのわたしとしては、とても興味深いので、特に好きです。やはり歴史の重みが違います。


ここ、西大寺は大きなお寺ではありますが、どこか少し風情があるというか、こじんまりとしているというか、なんだか居心地がよいのが印象的です。


金堂もわりと小さめ。人があまりいないことも居心地がよいです。
夏は、濃くてキレイな青空に、しっかりとした青々とした木々が印象的です。


秋になると、木々は赤や黄色に色づき、よりぐっと引き締まった印象になります。
この日は、近所!?の幼稚園のお祭りがありました。



可愛らしい子供たち。
ついつい夢中になって、シャッターをきっていたら、園児のママさんと間違われてしまいました。わたしの学生時代の友人も、かなりの割合で、すでにお母さん。園児を温かく見守るお父さん、お母さんと友人を重ね合わせながら、自分に子供が出来たことを想像してみたりなんかして、ちょっと物思いにふけるわたし。ってか、その前に結婚か...。

なぜ、写真を残さなかったのか、、とても後悔しているのですが、なぜかこの御神輿「ナポレオン」なんです。子供たちもみんな、「ナポーレオン!」「ナポーレオン!」って言いながら、担ぎます。「んんっっ??なぜ」ちょっと笑ってしまった、摩訶不思議なキンダーフェスティバル。

さて、このお祭りをあとにして、拝観に戻ります。




さて、西大寺といえば、こちらも仏像が有名なお寺のひとつです。

本堂には、文殊菩薩騎獅像。


獅子に乗る文殊菩薩さまとその脇侍である、善財童子優填王、大聖老人(最勝老人)、仏陀波利三蔵。この菩薩さまは、奈良のイケメンスター仏像としても、よく紹介をされています。切れ長のスッとした目と鼻筋からキュッと延びる眉。唇は紅くて、ふっくらしています。宝冠や装飾も豪華で、繊細。海竜王寺の十一面観音さまにも匹敵する美しさです。


そして、脇侍のなかでも、最も注目されているのが、前列左で手を合わせている、先導役の善財童子。やさしい眼差しで、獅子を見守っています。こちらの善財童子さま。最大の特徴と言えば、玉眼。水晶にひとたび光が差し込むと、命が宿ったかのようにイキイキとします。この仲間たち!?のよい雰囲気を作っているのは、間違いなくカレではないでしょうか?一番子供で、無邪気なんだけど、みんなの心を繋いでいる…そんな気がします。

こちらの仏像、86cmと少し小さめ。本堂の内陣の左右に位置する左の脇間にいらっしゃいます。脇間より外側の外陣から拝観をさせて頂くので、なかなか細部まで確認ができません。西大寺にお参りの際には、オペラグラスを持参されることをお勧めします。


そして、まだまだいらっしゃる西大寺の仏さま。


春秋の一定期間にしか、拝観できない“秘仏”の愛染不動明王さま。
愛染不動さまと言えば、愛を司る明王さま。真っ赤なカラダで、忿怒形の仏さま。
お不動さまと言えば、宝剣が特徴ですが、こちらの愛染明王さまは、弓矢と蓮華を持っています。髪は逆立ち、頭上には獅子、ワイルドな表情をしていますが、なんだか熱血漢な愛のキューピットのようで、私には可愛らしく感じます。

1.5mくらいの大きさを想像していましたが、こちらも意外と小さく、30cmくらい??
事前に本でさまざまな仏像をリサーチすると、わりとアップで映っているので、細部までじっくり観察できる大きさを期待すると、意外と小さなことも多く…。あと仏像までの距離が遠いとか...。オペラグラス必須だなーと改めて感じました。


夏に来たときも、秋に来たときも、人がまばらで、皆思い思いのペースで参拝しているのが本当に気持ちがよい西大寺。観光地化している寺院には、たしかに貴重な仏教建築や美仏の宝庫で、教科書で観たあれこれを実際に拝観できる喜びがあります。保存にも、すごく気を遣っていますし…。でも、地域の人に今もキチンとお寺として利用され、稼働しているかんじ。お寺ならではの静けさ…。この雰囲気が保たれているお寺がやはり一番気持ちがよいです。


参考出典:新版古寺巡礼 奈良 JRうましうるわし奈良 仏像は眼鏡をかけない