「野崎島」という無人島をご存知ですか?
最近、テレビの旅番組などでも紹介されることが多くなりましたが、長崎の五島列島の北東部にあります。江戸時代の潜伏キリシタンなど、キリスト教への信仰の深さのお話に心を打たれます。島民が節約をし、貯金して建てたという旧野首教会で知られています。


地震の被害にあったかのように、朽ち果ててしまっている神社を見つけました。どうやら、「恵美須神社」と名付けられていたようです。恵比寿さまは、古くから漁業の神様として、大漁の祈願に信仰されています。港のすぐ側の神社なので、航海の安全も祈願されていたのでしょう。


住宅は人が住まないと、どんどん朽ち果てていくという話をよくしますが、住宅だけでなく、土地も一緒であることを実感します。台風などの被害で、ここまで崩れてしまったのでしょうか?


ここは本殿の社跡でしょか?
瓦屋根が敷き詰められています。すこし中に近づいてみたいですが、良からぬものを踏んでしまいそうなので、度側から見学。よく見ると、手前には狛犬が!




こんなに廃墟感満載なのに、なぜかおどろおどろしさがなく、爽やかなのは何故でしょうか?狛犬たちもどこか表情が柔らかい気がします。





散策していると、さまざまな石仏が現れます。たぶん、薄暗い山のなかで、このような廃墟の神社を見つけたら、ひとりで潜入するのは難しかったでしょうが、本当にここは恐さが一切ないのです、島の玄関口で、島全体を守っているようです。

来島者を拒否するのではなく、あたたかくおもてなしてくれるような印象です。彼らに失礼のないよう、節度を守った訪問を心がけなければなりません。


最後に気になった仏像。なぜか、この方だけ、海の方向を向いていて...




誰かを待っているような、どこなもの悲しげな仏さま。ちょうど、坂になっているので、前のめりになってしまっているので、尚更そのような印象です。この方が島を守って狂ているような、すごく命を感じる仏さまです。


旧野首教会ももちろん素晴らしかったけれど、なんとなく訪れたこの恵美須神社は、とても深い衝撃を受けました。本当にやさしい気持ちになる不思議な廃墟の神社です。

「百万遍さん」と地域からも親しまれている浄土宗の大本山のひとつ、知恩寺があります。京都大学のすぐ近く、若者も多いこのエリアで、ひと際目立つ人の出入り…。ここ、百万遍知恩寺では、毎月15日に定期市(フリーマーケット)を開催しています。


毎月15日に、手づくりのフリーマーケットが開催されています。全国から出店希望者が約350店舗も集結し、午前9時〜午後4時まで、約1万人の来客があるという、この手づくり市。この日も、境内を埋め尽くす、人、ヒト、ひと…。毎月開催されているにもかかわらず、この盛況振り!きっと、地域の人々に愛されているフリーマーケットなのでしょう。



市内のちいさなパン屋さんや御漬物屋さんもこの日は、出張営業。特に、おいしいパンが多い京都。お店から商品が届いた瞬間に完売するという大盛況。いつもとは異なった雰囲気で、かつ商売繁盛ともなると、この日の仕事は楽しくて仕方がないでしょう。

京都らしい地域コミュニティーが、あちらこちらで垣間見えるのが、おもしろくてたまりません。東京のフリーマーケットに数回顔を出したことがありますが、このあったかさは感じたことがありません。さすが、平安時代から市を形成してきた京都は、格が違います。



 
1986年に京都在住の臼井さんと榎本さんが「素人がつくる手づくり作品の発表の場」として、青空個展を行ったのがこの「手づくり市」のはじまりです。約30年もの歴史あるマーケットのコンセプトは「手づくりの物でないと出店できない」こと。出店者が丹精込めてつくる作品の数々が、このマーケットの温かみを創りだしていたのですね。
 



自分が趣味でつくった作品がたくさんの人々の目に留まり、それをご購入して頂けるよろこび。考えただけでも、胸がじんわりくる幸福感。ガレッジセールやリサイクルマーケットではないからこそ、内側からくる感謝のエネルギーがじわじわと伝わってきます。



ここの僧侶の方も微笑ましく境内を見守っています。お寺の本来のあるべき姿をここに教えてもらったような気がします。今や、葬祭仏教と言われている日本仏教。このように、ただ修行道場や葬祭ばかりに場所を利用するのではなく、こういった地域の人々のために、解放するといった取り組みは、本体の日本が持つ独自の仏教文化を取り戻すきっかけとなるでしょう。本当にすばらしい取り組みです。



奥様のお買い物に付き合うことに疲れたご主人は、木魚体験なんていかがでしょうか?
読経のなか、スッと御堂のなかに仲間入りして、木魚を叩くことができます。





また百万遍知恩寺のシンボル「百万遍大数珠」を、僧侶が輪になり、念仏を唱えながら操る「百万遍念珠繰り」もこの日に修されます。残念ながら、今回は見学できませんでしたが、御堂内を囲む、数珠の大きさに驚きました。




出展者も来客者もそれぞれの時を過ごし、その想いが交差して紡がれる「百万遍さんの手づくり市」。こんなに素敵なマーケットが毎月開催されているなんて、本当にうらやましい限りです。

○百万遍さんの手づくり市
 開催日:毎月15日 雨天決行

 時間 :午前8時〜16時

 場所 :京都市左京区中門前町 知恩寺境内
 
 地図 :>案内地図はこちら

 ※出店応募は、翌月申し込みを応募はがきで受け付けています。
  くわしい情報は、手づくり市.COMでご確認ください。 














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わたしが、東大寺でもっとも?二番目かなー?好きな場所。
それが、戒壇堂です。東大寺の戒壇堂といえば、唐招提寺の開祖としても知られ、数回の航海を経て、失明してまでも唐から渡ってこられた鑑真和上。鑑真和尚は、日本の出家者に戒律を授け、正式な僧として認められる戒律の制度を整えました。

現在、東大寺の戒壇といえば、Sクラスの仏像スターが安置されていることで有名です。
修学旅行や、なんとなく奈良に旅行すると、大仏殿の盧遮那仏のみでスルーされがちですが、通常拝観可能な仏像としては、やはりわたしの中では、ここがナンバーワン。


高校の日本史の教科書で、お馴染みの「東大寺戒壇院の四天王像」。たしか、天平文化の代表的な彫刻として習ったような記憶があります。そのなかでも、特に紹介されるのが、広目天。俳優の中尾彬さんに似ていると話題にもなりました。

「おとこ」という字を「漢」と表現したくなるような、勇ましい表情。ちょっとユーモアのある、おしゃれなおじさんなんじゃないか?と含みをもたせる表情がなんともたまりません。そんなお顔立ちにもかかわらず、身体はスマート、くいっとひねった腰のくびれにも注目したいところです。足元の邪鬼も最初は恐ろしい印象を受けましたが、今では可愛く感じます。自分の感じるがまま、仏像を鑑賞するのは、とても楽しいです。

境内は、奈良には珍しく、波を打つように、砂が敷きつめられています。枯山水のような庭園美術は、京都ではおなじみですが、奈良ではあまり見かけないような気がします。このくらいの素朴なところが、わたしにはとっても居心地がよいのです。


教科書に紹介される有名な仏像を安置しているにもかかわらず、いつも本当に人が少ない戒壇堂。特に外国人の姿をあまり観たことがありません…。ぜひ、日本の仏像美をめぐる旅をしてもらいたいものです。


毎年、年に何回か訪れる奈良。なかなか頻繁に行くことが難しいのですが、春には必ず訪れてます。しかも、ちょうどサクラの美しい4月上旬。東大寺も西のエリアは、人が少なく、サクラもじっくり鑑賞できるのでおすすめです。大仏殿のそのまた奥が穴場です。




春の奈良は天候が崩れがちですが、カラッと晴れると、サクラと青空の、そして寺院と青空のコントラストが格別に美しいです。この日は残念ではありましたが、満開のサクラにうっとり。



鹿さんたちと一緒にお花見ができるのも嬉しいですね。



午前のみ、博多滞在。どこか、いいお寺はないだろうか…
寺町という地名もあるほど、お寺が多いという博多ですが、なにか特徴があるところに行ってみたい…と出逢ったのが、こちら。


 真言宗の東長密寺。九州の真言宗の教団の拠点寺院で、九州八十八カ所の第一番霊場です。博多の魅力という観光サイトによると、「弘法大師が、日本で最初に創建したお寺」と記載されていますが、それにしては、わりとこじんまりとしています。「弘法大師が○○○した△△△」というエピソードが日本中に多すぎて、なんだか、しっかりこない私です。



新しいであろう、仁王像。持国天と多聞天でしょうか?キレイめなので、結構好きです。


境内に入ってみると、広々としていて、真言宗の寺院では、おなじみの五重塔もあります。こちらは、平成23年に創建されたということで、やはり新しい五重塔。


 五重塔の相輪が、金ピカ。観光で寺社をめぐっていると、重要文化財などの歴史が深い五重塔に出逢う機会が圧倒的に多いので、このように新しい五重塔は、逆に新鮮だったりします。博多の街中に、突如ぽっかり現れる五重塔。

ちょうど2月の中旬ということで、太宰府同様、とても可愛らしい梅の花に出逢いました。



今まで、梅のお花見に行ったことがなかったので、紅白梅を揃って、鑑賞するのは初めてです。まだまだ冷え込む2月ですが、この日の昼間はポカポカ陽気の晴天。まるで笑顔で嬉しそうに、花をひらく梅の姿。わたしの顔もほころびます。

さて、今回の目的は…



 THE BIG BUDDHA.
ここは、日本以外のアジアの国でしょうか…。京都、奈良…たくさんの仏像を鑑賞してきましたが、こんな案内板ははじめてです。

「国内最大級の木像坐像大仏!」ということで、かなり気合いを入れてきましたが、「いきなり、これかい!」ユーモアがありすぎる…。これは、おそるおそる行くしかない!

(出典:http://kaisyou3939.naturum.ne.jp/e835619.html)

たしかにデカい!まさか、この御堂のなかに、こんなに大きな大仏さまがいらっしゃるなんて…。というか、、ここ2階。奈良の大仏の2/3ほどではありますが、木像では日本一を誇る坐像とのこと。高さは10.8メートル。重さは30トン。あまりに大きいので、大仏様を安置してかた、御堂を建てられたそうで、材料の木材の確保にも苦労をしたようです。



お顔もどこかアジア風ですが、こちらも平成4年に完成したということで、新しい大仏さまです。また驚くのは、光背の小さなお釈迦さま。全部で5,000体もいらっしゃるそうです。

また、この大仏さまは、胎内めぐりができます。胎内に入ると、地獄極楽の世界が広がっています。さまざまな地獄をたくさん観ていると、「嘘はついちゃいけない」「飲酒のしすぎはいけない」「欲張っちゃいけない」など、自分自身の日頃の不浄からの死後の世界に背筋が凍ります…。ぐるっと地獄をまわると、最後は極楽。だいぶ恐怖の絵が続きますが、子供の教育にはいいかも!

そんなこんなで、新しすぎるがゆえ?斬新で、ユーモアたっぷりな福岡大仏でした。




壁面に並ぶ石仏も、なんだかゆるい感じで、にっこり笑ってくれます。
大分の石仏をめぐった時にも感じましたが、どこか本州の仏像とはひと味?いやふた味?かなり印象が異なる九州の仏像。

関西のシュッとした仏像が好きだけど、次に九州のほんわかしたした仏像群が好きかもしれません。なんだか、また行きたくなってきたぞ、、東長寺。