地獄極楽(桂昌寺跡)。

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「わたしが好きそうな、おもしろい観光スポットがある…」と大分観光の初っ端に連れっていってもらった、ここ地獄極楽。
「じごくごくらく」って…。名前が凄すぎる。噂によると、「怖いところ」らしく、まったく予備知識もないまま、大分在住半年の新参大分県民とともに、よくわからない仏像スポットへ行くこととなりました。

到着してみると、「入り口→」という看板とともに、「先に→閻魔大王へ」という文字。
い、、いきなり閻魔大王ですか…。とりあえず、私たちはまず最初に閻魔大王さまに会いにいくこととなりました。いざ、パンフレットを頂いてみると、「洞窟めぐりであの体験」。

「全国で唯一洞窟の中に地獄から極楽までの珍しいミステリアスストーリーが見られる。」


うん!だいぶ興味あり。さっそく進むと、洞穴を発見しました。



どうやら、ここが入り口のようです。幼い頃に、お友達と探検隊ごっこと称し、近所の山へ行って、廃屋へ忍び込んだことを思い出します。中へ入ってみると…



いきなり、閻魔さまのご登場。
写真だと明るい洞窟のように写っていますが、実際は暗いので、子供はさぞかし怖いのではないでしょうか。…とはいっても、同行してくれた友人の娘(1歳)。反応なし。
大分県宇佐っこは、「嘘ついたら、閻魔さまのとこ、連れてくよっ!」とここに連れてこられるのでしょうか?いやー、いきなり強烈…。

 


ここは地獄窟。たくさんの鬼たちが私たちを迎えます。まさに、昔からあるお化け屋敷というかんじ。


羅漢像もリアルでちょっと怖いし…。と思ったら、こちらは三途の川の奪衣婆。渡し賃である六文銭を持っていないと、着ている衣服を剥ぎ取ってしまうという老婆の鬼です。おじいさんに見えるので、羅漢さまかと勘違い。

石仏が立ち並ぶ、地獄道を進んで行くと、なんだか同じ洞窟の中でも雰囲気に変化が訪れました。


今まで暗くて、ジメジメして湿っぽかった洞窟が、明るくなり、辺り一面乾いてきました。天井も高くなってきて、気持ちも晴れやかになってきます。



今まで、鬼や明王さまなど、恐ろしい形相をした地獄の番人たちから、やさしい菩薩像が迎え始めてくれました。とってもやさしいお顔。どうやら、地獄道から極楽に入って来たようです。

最後に現れたのは来迎弥陀(らいごうみだ)と観音・勢至菩薩の三尊像。未来を司る阿弥陀如来さまご一行です。「よく来たねー」と迎えてくれるおばあちゃんのような優しさを感じます。


地獄極楽めぐりも、いよいよ終了か?と思いきや、また洞窟内へ…。


上部に見えるのは、小さな穴から覗く、お外の光…。
まるで太宰治の「蜘蛛の糸」かのような一本の鎖。もう完全に地獄に堕ちたヒトの気分です。ちょっと登ってみたいという好奇心はあるものの、危険を顧みて、他のルートへ…。果たして、この鎖を登って、洞窟を抜ける強者はいるのであろうか?




先ほどの来迎弥陀さまも現れて、なんだかまた異なった印象。地獄を味わって来たかなのか、石で出来ているはずの光背がなぜか眩しく目に映ります。


可愛らしい羅漢像がたくさん。石仏らしい、豊かな表情に心がスッと救われます。見学時間は20分ほどだけれど、すごくボリューム感のある地獄極楽めぐり。クラシカルなアトラクションとしても十分楽しめます。


室町時代に建てられたという、ここ桂昌寺。土地柄なのでしょうか?いつのまにか廃寺となり、時は江戸時代後期。午道法印(ごどうほういん)という僧侶がこの桂昌寺の復興を呼びかけました。説法も聞いた村人たちは、この教えを導くために、70mの岩を掘り、この地獄極楽の風景をつくりあげて出来たのが、この地獄極楽です。桂昌寺がなくなった現在も、その教えが続いています。天国の話、地獄の話、親からおはなしを聞いたり、絵本やマンガで学んだけれど、実際に身をもって体験することができる、ここ。後世に伝えようという仏教心の熱意が、今日まで続いていることの素晴らしさを感じました。

仏教云々じゃなくっても、十分楽しめる地獄極楽。ぜひ、ご家族やご友人、恋人と音連れて頂きたい宇佐のおすすめスポットです。

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