商売繁盛を祈願して、毎年行われる大祭で、福笹を求めにたくさんの人々が訪れます。
七福神のひとりで、福の神として親しまれている「恵美須さん」。
右手には釣り竿、左手には大きな鯛を持ち、漁業の神と言われています。
ここ、京都ゑびす神社は、兵庫の西宮神社、大阪の今宮神社と並んで、日本三大ゑびすと称され、「えべっさん」の名で親しまれています。
さて、この十日ゑびす。
関西では有名とのことですが、関東ではなかなか馴染みの薄いお祭り。
恥ずかしながら、わたしはこの度、はじめて「十日ゑびす」を知りました。
なぜ、十日なのか...。
これは、えべっさんのお誕生日が1月10日と言われているそうで、その由来から毎年盛大なお祭りが行われているそうです。
いつもなら、なんてことない大和大路通。
この日ばかりは露店が軒を連ね、福笹をもった人が次々に湧いてきます。
夏のお祭りもいいけど、冬の寒いなか、甘酒やいか焼きをハフハフしながら食べるのもまた、嬉しいものです。
お父さんとお母さんに連れられた子供たちもこの日ばかりは、夜の遊びに無中。
りんご飴食べたり、フライドポテト食べたり、はしゃいでる子供が可愛いらしい。
いつも不思議に思うのが、お祭りの露店とお土産屋さん。
何年も何年も売れない商品がずーっと店頭に並んでいる気がしてならないのです。
ここで言うと、ウルトラマン、仮面ライダー、アンパンマン、ディズニーあたりが怪しい...
だって、わたしが小さな頃から形が何ひとつ変わらない気がする。
とは言うものの、ゴールデンボンバーの樽美酒もいるので、少しづつお面屋さんの時代も変化しているのでしょう。
お面ってはっきり言えば、使用頻度ゼロだけど、絶対になくなってほしくない露店のひとつ。
さて、そんなこんなで、露店を楽しんでいると、いよいよ京都ゑびす神社に到着。
日本三大ゑびすとはいうものの、わりとこじんまりとした神社なので、きっと地元の人が多いであろうこの十日ゑびす。京都の日常に入り込んだ気持ちで、とても心地がよい。
そして、境内の入口で、随分たくさん売られている「これ」。
こちらも初対面。
川崎大師の風鈴市の風鈴なみに売られている...。
これは「人気大よ也(にんきおおよせ)」といって福笹と同じような縁起物で、この笠を商売繁盛を願い多くの方が来て頂けるようにと店の隅に吊り下げる風習があるとのこと。
しかもこの笠は「初えびす」の時にしか手に入らない。
「うわー、限定かー、買ってみればよかった…」
人だかりの方へ進んで行くと、「あら!舞妓さん!」
この日は11日なので、残り福祭。
夜の部は、宮川町の舞妓さんが福笹を奉仕してくれます。
バッタリ舞妓さんに会っても、正面からジロジロみるわけにも行かないのが、いつもの京の旅ですが、この日は、じっくり舞妓さんを鑑賞?させて頂きました。
舞妓さんが配ってくれる吉兆笹に、大宝・福俵・福箕・福熊手・福鯛・宝船・宝来等の縁起物をつけるのが、えべっさんの福笹。
1年間、神棚や目線よりも上の清浄な場所に置き、また次の年の十日ゑびすで返納するとのことです。
笹は「節目正しく真っ直ぐ伸び」「弾力があって折れない」「葉が落ちず、常に青々と茂」ことから、商売繁盛の縁起物となったそうです。
舞妓さんにうつつを抜かすだけでなく、きちんと神様に商売繁盛をお祈りします。
若干混んではいるものの、境内にはすんなり入れるし、すぐに順番も回ってきました。
お祭りでこのくらいの人の多さ、理想的です。
1月、そして初ゑびすということもあって、おみくじもどっさり。
次の日が正式な「仕事版初詣」と決めていたので、ちょっぴり我慢…。
はじめての十日ゑびすのお詣り。
京文化に触れることができて、とっても満足ができた2014年京の初夜。
ちなみに、ここ京都ゑびす神社の起源は1202年(建仁2年)、禅の祖といわれる栄西禅師が、建仁寺建立にあたり、その鎮守として最初に建てたもの。
仏教は寺院で、神道は神社。
そんな風になったのは、ここ最近(明治時代)の話なのだから、神社も寺院も分け隔てなく学び、楽しんで行きたいと思う。
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