なら燈花会 -東大寺-。

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1年に1度。夏の10日間に行われる「なら燈花会」。
今年の開催は、8月5日(火)〜8月14日(木)までということで、まさに今が真っ最中。

若草山をはじめとした、緑の豊かさと1300年の歴史を刻む古代日本の趣。
ひとつひとつヒトの手によって、丁寧に灯される、ろうそくの淡いオレンジ色。
まだまだ残暑を感じる夜の暑さと、時折吹く風のここちよさを感じながら、いにしえの「なら」を憶う…。

明治以前の日本の夜の灯りは、行灯やろうそくなど、自然の灯りでした。
風が強く吹けば消えてしまうし、湿気の多い季節には、灯すことも一苦労であったでしょう。そんな時には、きっと無理をせず、大地や大気の導くままに、ヒトも寄り添っていったのではないでしょうか?

現代では、灯りも食生活も交通も、人間の思うがままです。
昼夜、天候に関わらず、常に光を確保できる環境、スーパーやコンビニには常に食材が並び続け、消費できないモノは廃棄されていくという現実。
人々は、カロリーの過剰摂取による肥満や糖尿病対策に追われ、本来の自然の恵みを、ヒトの手によって再現させ、接種することで健康を維持している状態です。

人間の発明や技術はとても素晴らしく、発展的なものです。
だからこそ、わたしも様々な場所に訪れ、今もこう自分の思ったことを世界中に、ボタンひとつでお伝えし、すぐにレスポンスを確認することができます。


でも、この便利な世の中が、果たして「幸福」なのか?
それとも、地球と調和をしながら、日々の気候を感じ、共存するすべてと寄り添いながら、生きていくことが「幸福」なのか?

そもそも「幸福」とはなんなのか?

この自然の灯りに包まれることによって、歴史をタイムスリップしたような気持ちで、「人間の在るべき姿とはなんなのか?」という疑問が「ふっ」と湧いてきました。

日頃、経済や社会に密着した生活に浸っているからこそ、こういう時間が必要で、ここに導かれたのでしょう。必然の出来事と、この空間、この時間に感謝の気持ちが湧き上がります。

さて、話を「なら燈花会」へ戻しましょう。
このろうそくの灯りは、ここ東大寺をはじめ、興福寺、春日大社、奈良公園など、奈良を代表する広範囲のエリアで行われています。

時間も限られ、どうやら人も多いようなので、この日は「東大寺」に絞ってみました。




たくさんの露店が軒を列ね、いつもは平穏な奈良の街もこの日ばかりは、大にぎわい。
私がお世話になったゲストハウスのご主人も、1年のうちで1番人が多いとおっしゃっていました。耳をすまして、周りの声を聞いてみると、どうやら大阪や京都などの近隣関西圏から遊びに来ている人が多いようです。

関西の大きな魅力は、商業施設が揃う「大阪」、風情ある「京都」「神戸」「奈良」。
いずれも1時間もあれば、行き来できるところ。
関東でいえば、「東京」「鎌倉」「横浜」といった感じでしょうが、うーーーーん…。
やはり、関西。わたしにとっては、非常に魅力ある地域です。



あれあれ??
奈良公園の鹿ちゃんも、この日ばかりは夜更かしでしょうか?
いつも必要以上に鹿せんべいばかり食べさせられていますが、周りには豪華なお食事がたくさん…。ちょっとゴミを漁ってみては、露店のおばちゃんに怒られています。


さて、夜の南大門。
ろうそくの灯りで浮き上がる南大門の存在感。
まさしく「大華厳寺」という名にふさわしい、重みのある、実に立派な国宝建造物です。



運慶の金剛力士像。
光の陰影によって、筋肉の造形美(コントラスト)がより一層引き立ちます。
この時ばかりは、通常の拝観では見ることのできない、別のお姿を見ることができます。
ちなみに、今年は9月30日までライトアップが行われるらしいです。



南大門を抜け、鏡池の周りには、たくさんのろうそくの灯り。
とても幻想的で美しく、思わず「はぁ〜」と溜め息がこぼれてしまいます。

この「なら燈花会」開催中に2日間、大仏殿の夜間無料拝観が行われます。
今年は8月13日と14日の19時から。
東大寺といえば、やはり「奈良の大仏」。
この日は早朝からの奈良散策と、夜の賑わいから、足が遠くなってしまいしたが、次回は是非、夜の大仏鑑賞をしてみたいものです。

そして、中には入らなかったけれども…
鏡池からの大仏殿(ちょっとしつこい!?)。


鏡池といわれる所以は、やはり「逆さ大仏殿」を楽しめるということでしょうか?
うん、、美しい…。


「また来年」。

この言葉で見送られた、東大寺での「なら燈花会」。
うん、来年来る!と思っていたものの、ちょっと断念の方向へ…。

でも、記事を書いていたら、やはり行きたくなってしまう。
うーーーーーーん、悩ましい。

もし、お盆期間中に、関西方面にいらっしゃる方は、是非「なら」に足を運んでみてはいかがでしょうか?
幻想的な「なら」に心奪われ、わたしのように奈良の魅力にハマってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?

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