永観堂の道沿いに「京都五山」のひとつ、南禅寺があります。
南禅寺は、臨済宗の総本山で、禅の専門道場として、多くの僧が修行をしています。
南禅寺は、正応4年(1291年)に亀山法皇が無関普門禅師を迎えて、開創したことがはじまりです。亀山法皇が皇位に就いた頃は、東アジアの情勢が緊迫しており、蒙古襲来などの困難が襲いました。そうした時代背景のなか、禅の心をもって、その国難を乗り越えていったのでしょう。
室町時代には、幕府により、五山の制が定まり、代表期な臨済宗の寺院がその格付けのなかに加わります。京都に五山、鎌倉に五山と制定されますが、その両山筆頭の別格とされたのが南禅寺。この五山制度は、幕府による寺社統制で、僧録司制を定め、住職の任命権などを掌握して、権威をふるいました。室町時代の文化や貿易の背景に、寺社が多く関わっているのは、そのためです。
南禅寺の建造物のなかで、有名なのが「山門」。重要文化財にも指定されています。紅葉の時期は、観光客が増えるからでしょうか?ここの山門も回廊を拝観できるようでした。前日、知恩院の山門に上ったので、この日は断念...。楼上にどんな仏像がいらっしゃるのか気になるので、次回はぜひ上がってみたいと思います。
南禅寺の嬉しいところは、自由に境内を散策できるところ。建物や特別な庭園などを拝観しなければ、無料で寺院散策を愉しむことができます。
南禅寺の重要文化財といえば、こちらも有名な水門。この水道橋は、明治時代に琵琶湖の水を、京都市内に引き入れる疎水の水路として使用されていました。寺院の建造物とはまた異なった、西洋風の赤煉瓦のアーチ。
外国人観光客は、この曲線を利用して、さまざまなおもしろ写真を撮影していました。この窓、端から端まで順に大きさが異なっています。実際に観て、驚いたことのひとつ。
一部、キレイな真っ赤に染まるもみじもありましたが、紅葉としては、あと一息といったところです。今週あたりは、見頃ではないでしょうか?
美しい秋晴れの朝に、「そうだ、京都へ行こう」と新幹線に乗ってみてください。
驚くほど、リフレッシュできる1日が待っています。