三尾の名刹、最後は「世界文化遺産」にも登録されている「高山寺」。
774年、光仁天皇の勅願によって開創されたのがはじまりです。その後、神護寺の別院とされてきましたが、鎌倉時代の高僧 明恵上人が中興開山したと云われています。
明恵上人は、後鳥羽上皇の院宣によって、南都東大寺の華厳を根本とした戒密禅を兼ねた寺としました。仏道実践の霊域として、いつの時代も崇信を受けていたとされる高山寺。特に、藤原氏一門から厚く保護されました。
また茶祖とも云われている明恵上人。この栂尾山は、茶の発祥地としても知られています。宇治の茶の本園として、現在も宇治の茶業家は、毎年自家製の新茶を上人に廟前に献供しています。
山間の風情ある参道を抜けて、境内へ向かいますが…、今回は、時間もなくなってしまったので、国宝の石水院のみを拝観します。
上人時代の唯一の遺構として残っているのが「石水院」。明恵上人が後鳥羽上皇より賜った学問所としての建物です。こちらの裏庭の庭園がまた素晴らしい…。
周囲の山々の借景と重なって、雄大な景色を眺めることができます。郊外だからこそ、昔の情景がそのまま残っています。
かわいらしい善財童子にも癒されます。
簡素な中にも優雅さを併せ持つ石水院は、生活の知恵の結晶として、住宅建築でも高い評価を得ています。
そして、高山寺で忘れてはならないのが…
(出典:http://shop-g.skr.jp/wp/giga.jpg)
鳥獣戯画。2015年4月からの東京国立博物館の鳥獣戯画展では「大混雑」で話題となりました。絵本のような可愛らしい画風の絵が、巻き物として残されています。
現在は、九州国立博物館にて展示をされているようで、いつも出張巡業をされていることが多いようです。
【栂尾山 高山寺】
□ 拝観時間 8:30~17:00
□ 拝観料金 800円 *紅葉時期のみ 入山料500円
□アクセス JR京都駅からJRバス高雄・京北線「栂ノ尾」行で約55分。栂ノ尾下車。
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